9/10
ここではない街を想像する。
音楽にかなり救われている部分がある。
朝のニュースで日本がドイツに勝ってるし、濱口竜介の最新作でヴェネチア銀獅子取ってるし、どちらも良いニュース。前者は驚きすぎて朝起きた第一声が「マ!?」だった。後者はこれによって濱口竜介の作品が映画館でよりリバイバルされるだろうことを考えたらかなり嬉しい。
洗濯と床掃除を終える。
King GnuのTOKYO RENDES-VOUSを聴く。
百貨店でハムのカスクート、トマトとオリーブのフォッカッチャ、クリームパン、ミルクパン、あともう一つ鳥天らしきものが挟まれたパンを買う。
県庁前の青々とした芝生がある広場でハムのカスクートとペリエをいただいたが、自分以外の全員が家族連れだったためかあまりに牧歌的な雰囲気がしており、今日自分が死んでもおかしくないような雰囲気だった。世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドのシーンを思い出す。
カフェの隣でマッチングアプリを介した初対面の人々が話している、なるほど。彼のイメージと彼女のイメージをただ交換し合っていて、そこに本当の会話はないように感じてしまう。本当の会話、とは...さすがに初対面で静かなカフェに入るのはそぐわないかもしれないと感じる。聞きたいわけではないのに、嫌でも頭に会話が入ってくる。
ギリシャ語の時間を久々に読み直している。本当に誰かと分かり合うことができたと一瞬、ほんの一瞬きのあいだは錯覚してしまう、そんな瞬間を想像する。人生で何度そんな奇蹟が自分に降りかかるのだろう。
したかったことをいくつか済ませる。
レコードを聴く。ぼんやりと自分を組み替える。
すこしだけ勉強をする。