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上本町、日本橋、難波を歩いて往復する。
街にグラデーションがあって、きちんとそこには生きている人がいる、と実感できるところが好きだ。
最近、人生の取り返しのつかなさみたいなことが心地よく感じ始めた。
鳥貴族の前で蹲る酒を飲みすぎたと思われる人を見て、美を感じる。
1時間ほどかけてゆっくり散歩した。
大切な話ほど素面では迂遠なしにすることは難しい。
母が出席する結婚式の服選びに付き合った。年齢を重ねると、百貨店なしには服選びも難しくなるようで、なかなか大変そう。でも、見つかったみたいでよかった。
梅田から神戸へ移動中、悲しくなった。何に対して悲しくなったのだろう。歩きすぎて疲れたからだろうか。身体と情緒がシームレスに接続されているよくない影響だ。
オスカー・ピーターソンを聴きながら、神戸を歩く。
海から風が吹いている。波が消波ブロックにぶつかり続ける音がする。雷で時々視界全体が白く光る。もっと別の仕方でここに辿り着いた可能性について思いを馳せようとする、しかしそれは現実の中ではなく小説の中で考えるべきことだと気付く。さっきより空が暗くなっている。夜になっていた。
遊覧船に乗ってみたいことを思い出す。10年くらい思っている。
簡単な英語を話して、観光客の写真を撮る。素朴な善いことができて嬉しい。
波音にもいろんなパターンがある。5種類くらいはすぐわかるが、言語化が難しい。
遠くにある海上の光を見て、数年前に見た長崎の海を思い出す。